歯科医院の経営の参謀として20年ほど活動し、過去100医院ほどの歯科医院を支援してきました高野です。
予約は入っているけれど、連絡なしで来院しない患者さん。
歯科医院の院長先生、スタッフにとって厄介な存在です。
歯科医院の場合、チェアが埋まると患者様を診れないという人数的な拘束があります。
患者数を増やすにしても限界があるのです。
医科のクリニックの場合、医師の診察時間が最大のボトルネックとなるのですが、歯科医院と比較すると診察できる患者数が多く、1日100名の診察も可能です。
しかし、歯科医院の場合は、チェア1台で、30分の治療を行うのであれば、7時間で14人が最大値。15分診療であれば28人となりますが、15分でチェアを入れ替えていくのは現実的には難しいですね。
歯科医院の場合、チェア3台で、40名くらいの来院数となります。
歯科医院の場合、キャンセルが1件発生することで収益に影響が出ます。
レセプト単価 約1,200点 通常1レセプトで来院回数が1.5~2.5回
2回として、キャンセル1回で600点くらいの保険点数を損していることになります。
キャンセル1回で6,000円の損失と考えると、かなり厳しいです。
自費診療の治療の場合であれば、もっと高額です。
このように、当日の無断キャンセル数が多いと業績は悪化します。
キャンセル撲滅対策は必須です。
新患の予約の場合、より深刻な問題になります。
コスト面を考えると1件の患者を確保するために、10,000円ほどの広告費用をかけています。その10,000円が損失になるのが、無断キャンセルです。
また、元々少ない新患枠をキャンセルで潰されることはクリニックの経営上避けなくてはならないこと。
キャンセル対策に対して真剣に対応していただきたいと思います。
では、キャンセルの理由とはどんなものでしょうか?来院している患者さんにアンケートを取ると以下の結果でした。
1位 忘れていた
2位 急な予定が入った
3位 予約変更の連絡ができなかった
という順位になります。多くの医院でアンケートを取りましたが、一位は不動。
予約自体を忘れたからキャンセルが発生しているのです。
開業して暫くすると、新患の予約は当日や翌日ということはなく、1週間後の予約になり、繁盛クリニックだと1カ月待ちなどが普通にあります。
予約をしたこと自体を忘れるのは十分な期間です。
人は1日で50%は忘れてしまう生き物ですから1カ月先というのは忘却の彼方。
忘れること自体はどうしようもありません。
歯科医院の院長先生の中で、キャンセルする方が悪いという先生もおられ、キャンセルをした患者を二度と診察しないという対策をするクリニックもありますが、まずはキャンセル対策として「忘れた」への対応が第一になります。
インターネットで検索して、クリニックを探し、来院の予約を入れるという行為は大変な労力がかかっています。慎重なクリニック選びをしている方からすると、大きな決断。
しかし、時間の経過とともにその時の気持ちは薄れ、予約日ではすっかり忘れてしまう。
「忘れた」対策は、今も昔も行われてきました。
ただ、時代と共に変化してきています。
キャンセル率を下げる方法として、昔は電話が最強アイテム。
キャンセル率ダウン対策を研究している時に月間レセプト2,000枚超えでキャンセル率0%というクリニックがありました。
院長に聞くと、前日に予約患者全員の自宅に電話予約確認を行うこと。
また、来院できない場合は予約変更の手続きを行うことを徹底していました
当時、リコールで良く使われた郵送によるハガキ対策よりも圧倒的に効果は高かったのです。
しかし時代が変わり、電話を極力避ける時代になってきました。
一人1台スマホを持つ時代では、電話よりも、LINE、SMSが好まれ、ステップメールなどの活用が進んでいます。
ポジティブな感情(喜び・感動・幸福感など)が、時間の経過とともに弱まります。人間の脳は、新しい刺激に対しては強く反応しますが、時間経過とともに感情は希薄化し、同時に記憶も薄れていきます。
これはWEB上で予約をした時も一緒です。
魅力的なサイトを見て、是非ここで治療を受けたい、説明を受けたいと感じたその感情を100%とすると、翌日には50%に減り、3日後には 30%、一週間後には 15%に、一か月後は 5%くらいしか残りません。
このような感情の希薄化に対応していなくてはなりません。
前日に予約内容の案内をメール(SMS)やLINEで行うことでキャンセル率は下がります。
SMSとLINEを比較すると、LINEを使用した方が効果が高いようです。
なお、メール、SNSでの連絡をした場合は、WEB上でキャンセル変更を行える仕組みが欲しいですね。
キャンセル対応は電話のみというクリニックでは、十分なキャンセル率低下を図れなくなっています。
ステップメールを使う場合は、
1.予約を入れた時の返信メール
2.予約を入れた後、1週間前までにフォローメール
3.1週間前にリマインドメール
4.前日にリマインドメール
という流れが一般的ですが、2を行わないケースも多いです。
新患患者のために予約を入れた際の治療内容に関して情報提供を行うなどもできるとより効果的です。
歯科医院の場合、予約変更を行う場合、ドクターやDHなどの担当、チェアの空き状況などを加味するため、簡単な次回予約候補を出しにくいという点があります。
これは、予約専用ソフトの機能を最大限活かしてください。
ドクターやDH一人ひとりの予約情報を入力する必要がありますが、検索機能などを使うことで電話での次回予約対応でも処理時間が早くなります。
機能を正しく使うことは、ソフトウェアの活用に必要ですので、必要情報(休診日、勤務シフト等)をしっかり入れるということが必要です。
正しい情報が入力されていれば、電話や窓口での予約変更もスムーズになります。
ドクターの治療内容、DHの勤務状況などにより適切な予約枠は変わってきます。
スタッフの勤務状況などは、勤怠管理システムとの連動ができればかなり簡素化します。
治療内容に関しては、根幹治療や抜歯は連続で予約を入れないなどの規制を加えることで予約ルールができます。
ルールの設定を行うことで、運用上のオペレーションが決まりますのでルール設定を明確にしていただきたいと思います。
キャンセルが出た場合は、予約をお待ちいただく患者さんに連絡を入れてキャンセルを埋めていきます。これはLINEやメールの活用で省力化が可能です。キャンセル待ちの方への案内メールでキャンセルを埋めることができます。
これらのような対応を一人のスタッフで対応することは難しいです。クリニック全体で日々のキャンセル対策をしていただきたいと思います。
キャンセル対策には、予約システムの活用が必須です。
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